経営・管理ビザに関する意見書
日本政府関係者各位
私は日本で事業を経営している外国人起業家であり、政治的には保守的な立場を支持しております。
経営・管理ビザ制度を厳格化するという政府方針には、基本的に賛同いたします。
しかし、現場で実際に真面目に経営している者が誤って排除されるような運用が行われては、日本の信用を損なう結果となりかねません。
そのため、制度の目的を保ちつつ、より合理的で透明な運用を実現するために、以下の改善提案を申し上げます。
⸻
1.本当に経営しているかを判断する方法の改善
最近、入管局が「経営者がオフィスに出勤しているかどうか」を確認することで「実際に経営しているか」を判断しているという事例を多く耳にします。
しかし、これは極めて不合理です。経営者は学生やサラリーマンではなく、現場に毎日出勤することよりも「経営判断」や「資金調達」「顧客開拓」などの成果こそが本質的な活動です。
書類審査だけでは経営実態を見抜けず、現場確認は本質を外れています。
そこで提案します。全国の企業家ボランティアを三〜五人一組にして、交代で経営者にインタビューを行う方式を導入する。全過程を録画・記録し、透明性を確保します。
この方法なら政府は人件費をかけずに、企業家同士の視点で真に「経営しているか」を高い精度で判断できます。
⸻
2.不法滞在者の徹底排除と合法経営者の保護
まず、明確に不法な滞在者(不法入国・不法就労・不法滞在など)を徹底的に排除すべきです。
一方で、法的に正しく日本で事業を営む者を過度に疑うのは本末転倒です。
法律と証拠に基づいた公平な判断を徹底することが、制度の信頼性を高める唯一の道です。
⸻
3.新しい雇用要件の見直し
新制度では、「日本人、または永住者・日本人配偶者等を一名以上雇用すること」が求められています。
しかしこれは現実的ではありません。日本の失業率は約2.5%と、すでに「完全雇用」に近い状態です。
私の会社はすでに日本国内で百名を超える社員を雇用していますが、人材採用には常に苦労しています。
まだ来日していない経営者が設立したばかりの小規模企業に、日本人や永住者が応募する可能性はほとんどありません。
よって、この要件は「実際の雇用環境」と乖離しており、見直しが必要です。
⸻
4.「貢献度スコア制」の導入
外国人起業家を「道徳観」や「価値観」で測るのではなく、「日本への具体的貢献」で評価すべきです。
納税額、雇用人数、日本人顧客比率などを数値化し、透明なスコア制度を導入すれば、審査の公平性と信頼性が飛躍的に高まります。
⸻
5.経営・管理ビザは日本経済にとって極めて重要な制度
経営・管理ビザは、日本に外国資本を呼び込み、地域経済を活性化させる重要な仕組みです。
この制度を「悪用者対策」だけでなく、「正当な経営者を守る仕組み」として発展させることが、日本経済の長期的な安定につながります。
⸻
6.外国投資を通じた日本企業支援モデルの導入
英国や米国のように、「外国人が日本企業に投資することでビザを取得できる制度」を導入すべきです。
外国資金が日本のスタートアップや地方企業を支える構造を作れば、国際協調と国内成長が両立できます。
⸻
結語
経営・管理ビザは「日本を信じ、日本に投資する外国人」を守るための制度であるべきです。
厳格さと公平さの両立こそが、日本の国際的信用を守り、未来の経済成長を支えると確信しています。
敬具